複雑怪奇、関東の鉄道事情

関西に生まれ育って40年、東京に出てきて驚いた。

 

鉄道がもう何が何だかよく分からない。

 

地下鉄はさらに、どこをどう走って、どこへ辿り着くのか全く不明。

 

路線の呼び方も、鉄道会社名を省いて話すので、それがJRなのか地下鉄なのか、それとも私鉄なのかも全く分からない。

 

「山手線」「総武線」「東横線」「田園都市線」「京葉線」「伊勢佐木線」「半蔵門線」「大江戸線」「三田線」「南武線」「横浜線」…路線名を聞いて、それがJRなのか地下鉄なのか、私鉄なのかがすぐに分かるようになるのがまず一仕事。

 

そして目的地に辿り着くための最短路線が頭に浮かぶようになったら、一人前というところか。

 

ただし、これは関東人にとっても難しいことらしい。

 

というのも東京の鉄道は、関西の比ではないほど複雑に入り組んでいて、さらに相互乗り入れもどんどん進んでいるからだ。

 

私が上京してきたのは2000年だが、ここ十年で東京メトロと私鉄の相互乗り入れ区間がかなり増えた。

 

地下鉄副都心線が開通し、東急東横線と西武池袋線も相互乗り入れも始まった。

 

もちろん関西にも鉄道や地下鉄がたくさんあって、相互乗り入れしている路線もたくさんある。

 

たとえば阪神電車は、神戸で山陽電車と相互乗り入れ、なんば線で近鉄電車との相互乗り入れしている。

 

大阪市営地下鉄も、御堂筋線は北大阪急行電鉄と、中央線は近鉄と、堺筋線は阪急と相互乗り入れしている。

 

ところがそんなのまるで比でない複雑さになっていて、どの駅まで乗り入れているのかも難しい。

 


東京の地下鉄にはビックリ

東京に出てきて一番戸惑うのが、地下鉄だ。

 

まず東京の地下鉄には、東京メトロ(営団地下鉄)と、都営地下鉄という2種類の地下鉄がある。

 

営団地下鉄は、国が51%、東京都が49%出資している地下鉄で、都営地下鉄は東京都が経営している。

 

また大阪で地下鉄というと、南北に走っているか、東西に走っているというイメージだ。

 

京都の町は長安を模して碁盤の目になっているが、大阪市内も「筋(すじ)」と呼ばれる南北に走る道路がたくさんあって、地下鉄も南北に走る形になっている。

 

ところが東京の地下鉄は、南北にも東西にも走っていない。

 

東京の道路は、徳川家康が、江戸城を守ることを最重要にして作ったため、碁盤の目になっておらず、お堀の外側を通る形で地下鉄の路線が走っているのだ。

 

東京で初期にできた地下鉄は、「銀座線(渋谷-上野・浅草)」と「丸ノ内線(池袋-新宿-方南町)」なのだが、銀座線は、渋谷・新橋間は東西に走り、新橋・上野間は東西に走っている。

 

丸ノ内線にいたっては、池袋からお堀の北を通って東京駅まで走り、お堀の南を通って新宿へ戻ってくるという形で、コの字になっている。

 

なので丸ノ内線に乗る場合は、新宿方向か池袋方向かを確認して乗らないと、逆方向の電車に乗っているようなことが良く起こる。

 

東京メトロ路線図
※赤い線が丸ノ内線ということで、このサイトでは、東京の鉄道路線について、まとめてみる。