新京成とは、陸軍鉄道連隊が造った路線
更新日:
関西人のための関東私鉄ガイド。
次は「新京成」(しんけいせい)と「北総線」(ほくそうせん)だ。
この二つは、京成電鉄のグループ会社だが、別会社として運営されているという、ちょっと不思議な感じの路線だ。
まず新京成は、京成津田沼と、千葉県北部の松戸(まつど)を結ぶ路線だ。
津田沼は東京湾岸にある街だし、松戸は上野から見ると北東方向にあるので、新京成線は、東京と千葉の県境の少し外側を走っているイメージだ。
この新京成はカーブが非常に多くてトンネルがないという、ちょっと変わった特徴を持つのだが、これにはワケがある。
というのも新京成線は戦前、鉄道連隊が津田沼で造っていた練習線を、戦後、払い下げを受けて運行している路線なのだという。
陸軍鉄道連隊は、関東大震災の復興事業や、中国大陸やインドシナで鉄道を敷くために、千葉や津田沼で鉄道敷設訓練をしていたが、トンネルを掘らず、カーブばかり造ってたって事らしい。
京成電鉄は、練習線の払い下げを受けたあと、可能な限りカーブを減らす努力をしてみたが、それでもかなりの曲線区間が残ってしまったらしい。
地図を見てみても、新京成線は、確かに不必要な謎のカーブが多いね。
新京成 路線図
新京成電鉄ホームページより北総線は、羽田から成田までつながってるが、運賃が高い
北総線(北総鉄道)も京成グループの鉄道だ。
北総線は、成田空港や千葉ニュータウンへのアクセス線として1970年代に造られた。
京成電鉄や千葉ニュータウンを造った住宅公団、千葉県や松戸市などが出資する、第3セクターの鉄道路線だ。
北総線は建設のために膨大な借入を行った上、沿線開発がなかなか進まず、利用客が伸び悩んだため、設立から40年にわたって債務超過状態が続いていた。
というのも北総線の線路は、東京都心部まで乗り入れておらず、都心で働く人の通勤路線として、大きな欠陥があったからだ。
北総線の起点は京成高砂駅なので、都心に出るにはまず京成線を通り、さらに他線に乗り換えるということになる。
これでは初乗り料金を3回も払う羽目になるから、大変だ。
それが利用者増加の障害になっていたと言うことらしい。
京成電鉄は千原線でも初乗り料金を加算しているみたいだし、どうも初乗り料金で稼ごうと考えているみたいだな。
北総線は1991年に、都営地下鉄浅草線と直通運転が始まり、京急線の羽田まで乗り換え無しで行けるようになったのだが、運賃が高いのがとにかくネックだったようだ。
北総線は2000年以降になってようやく黒字転換し、2010年からは成田スカイアクセス線としての施設利用料が入り、最近になってようやく債務超過状態から脱した。
その結果、わずかだが運賃の引き下げが行われたが、それでもまだまだ割高だね。