世田谷線 東京には珍しい路面電車型の路線
更新日:
世田谷線(せたがやせん)とは、東急三軒茶屋(さんげんちゃや)から、京王線・下高井戸(しもたかいど)までを結ぶ、たった5キロしかない路線だ。
2両編成の、いわゆる「路面電車」で、プラットホームも低床型になっている。
世田谷線はかつて、渋谷と二子玉川・溝の口を結んでいた、玉川電鉄(東急玉川線)の支線で、昔は同じような2両編成の電車が、渋谷と溝の口の間を結んでいたらしい。
しかし国道246号線が高架化されるのに伴って、玉川線の路面電車は廃止され、246号線の地下に新しく「新玉川線」が作られた。
そのときに世田谷線は分離され、今に至っている。
なので私が上京した2000年頃はまだ、古い昔のチンチン電車みたいなのが走っていて、三軒茶屋のプラットホームも低かったことを覚えている。
最近はもう、高性能の赤や青や黄色や緑のいろんな色の低床車両が走っているが。
因みに都内には他に、都電荒川線という路面電車も残ってるね。
ただ世田谷線は、路面電車と言っても、線路は道路と分離されていて共用ではない。
また世田谷線の三軒茶屋と下高井戸駅と上町駅以外は無人駅で、改札もない。
ワンマンバス方式で、2両編成の最前部か最後部のドアから乗り込み、そこで料金を支払う仕組みになっている。
バスと同様の料金箱が設置してあり、Suica(スイカ/JR東日本のICカード)や、PASMO(パスモ/関東私鉄共通のICカード)も使える。
世田谷線 路線図
若林踏切は、踏切がない
世田谷線は、三軒茶屋駅で、東急田園都市線と交わる。
接続ではなく完全な乗り換えで、割引もなく、初乗り料金も取られる。
ただし世田谷線の料金は、一般の鉄道やバスよりも安いので、あまり損した感は無いとは思う。
田園都市線の駅は地下にあるので、改札を出て、階段を使って移動する。
世田谷線は関西で言うと、京都の叡電や嵐電みたいな感じ。
叡電や嵐電も無人駅が多いが、ああいう感じだ。
ただこの世田谷線は鉄道としては珍しいところが一つあって、環状七号線道路と交差する地点が、踏切ではなく、ただの交差点になっている。
自動車を赤信号で止めてから世田谷線の電車が交差点を通るのだが、交通用の信号機なので、電車が待たされる。
「若林踏切」という交差点で、かつてはちゃんと踏切があったのだが、道路側の交通量が急増したために踏切が撤去され、自動車優先の交差点になってしまったのだ。
このあたりはさすがに、路面電車ってことだな。